2013年2月15日 (金)

ビジネスマナー:時には、かいしょもん(甲斐性者)に成ってみたらどないだす

昨日、出先で昼食をとりに入った店は、リンガーハットだ。
カウンター形式の3人席の一番右端の席に通された。

すでに左側には2人のサラリーマンが座っていた。
一番左側の端席に40代らしき上司、私の隣りには20代後半の部下が座っていた。
注文は済み、若い部下が
「ここの美味しいんですよね」
の一言にワクワク感がにじみ出ていた。

しばらくすると、先に大鉢入りの野菜たっぷりちゃんぽんが運ばれてきた。
上司は「ここ、置いて!」と店の人に指示して、鉢が置かれた瞬間から、一気に食べ始めた。
大鉢入りのちゃんぽんが半分ほどになった頃、小ぶりの鉢に入ったちゃんぽん+ご飯+餃子がついたセットメニューが運ばれてきた。

ここで上司は「あっ」と小さく言った。
部下は「いいです、いいです」と苦笑いの後、すぐに悲しそうな表情に変わった。
「これ、お前のやったんか~。いやー、なぁ~んか、おかしなぁとおもてたんやけどな」
と、半分以上平らげていた上司の箸が止まった。
「い、いえ、ボク、これで(いいので)」
若い部下は、ペコンと頭を下げた。

それからは会話のないまま、上司と部下は食事を終えた。
『さぁて、問題はお勘定の時や。この上司、部下の注文分をペロッと食べといて、自分の分しか払えへんのやろか?』

先にレジに並んだ上司は、案の定、自分の分しか払わない。
部下は、食べたかった大盛りちゃんぽんを食べることなく、やむなく食べたスモールちゃんぽん+白ご飯+餃子3個のランチセットメニュー料金:490円を支払った。

『あ~あ、なんで、〝おい、悪かったな。僕がまちごて君が注文してあったの食べたんや。今日の昼代、僕、払とくわ〟くらい言われへんねんな!
時には〝ここは僕が出すさかい〟と、かいしょもん(甲斐性者=甲斐性のある人・しっかりした人)に成ってみたらどないだす』

ビジネスマナーは社外でも社内でも、しっかりとある。
「僕の食べた分は僕が払うんやよって、君の食べた分は君がはろて(払って)当然やろ」
というようなこの上司の態度が、今回の場合は情けないの一言に尽きる悪い例のビジネスマナーだ。

「かいしょなし(甲斐性無し)の上司と、これから仕事で連れ立った都内回るんやろか」
1000円札を出して490円の食事代を払い、おつりを財布に入れている部下の姿を見て、そんな事を思った。

部下を上手に使うのも扱うのも、上司の仕事。
「察するに、あの上司にビジネスセンスはない!」
出て行った二人の背中を目で追い、そう思った。

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2012年10月19日 (金)

後先(あとさき)考えんとアカンわなぁ

長野県上田市まで行ってきた。

市内にある、池波正太郎真田太平記館で、
〝イベント:竹内志朗の舞台道具帳-剣客商売〟があったからだ。
父のように慕う竹内先生が池波正太郎作品で手掛けた手書きのタイトルや、舞台セットのデザイン画を館内に展示。
必殺シリーズのプロデューサーの仲川利久氏とのサロントークも行われた。

JR上田駅への帰り道、
『酒粕あります』の文字を見つけた。
「粕漬けしょうとおもてたとこやったし、丁度ええわ。こうて(買って)帰ろ!」
買った酒粕は3.7kg入り。

広い間口の店内には、鰹節の匂いも漂う。
「鰹節は、なんとまぁ、これもほしかった焼津産!!」

酒粕と鰹節を迷うことなく買った。
鰹節は軽いが、酒粕はズシンとくる重さだった。

少し歩くと、レトロな建物の飴屋さんがあった。
フラフラと中に引きこまれ、どっしりとしたガラス瓶のラベルに〝滋養豊富〟と書かれた『麦芽水飴』を購入。

手荷物もそこそこあったのに、
「ついつい、食材には手ぇが出て」
思いもかけぬ重さになった荷物を抱いて、新幹線に乗った。

座席につくなり
「後先(あとさき)考えんとアカンわなぁ」
荷物の重さを急に感じ、これからの帰り道を思った。

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2012年10月12日 (金)

大阪弁:すってんてん(=からっぽ)

私は浪費家ではないが、
「これもこうとこか(買っておこうか」
と購買意欲が一番わくのは食材だ。

スーパーに入る前には、必ず財布の中身を確認する。
いつぞや、
「財布パンパンや(膨らんでいる)。結構、うち、今日はお金、持ってるわ」
思い込みは、ろくなことがない。

レジで合計金額を聞き、いざ支払う段になって
『ひ、ひぇ~、レシートばっかり!! 現金が、ナ、イ。そんなアホな!!』
小銭を集めて、とりあえず入り用な卵1パックだけ買い、
「すんません。お金、財布に入ってのぉて……買い込んだ品もん(品物)、全部、お返しします」
脇に汗を垂らしながら、頭を下げた。

恐怖の体験を経て、スーパーに入る前に
〝財布の中身チェック〟行動は身に着いた。

しかし不思議だ。
計算にはとんと疎い(少しも得意でない)私が財布の中身を見て、
「小銭も入れたら、大体3500円ほど」とか「あっ、5000円札入ってたわ」
金額だけ確認してから、買いもん(買い物)はスタート。
レジで支払いを終えると、ほぼ毎回、その時の財布の中身全金を使い果たしている。

「ほしいもん(欲しい物)こうたし(買ったし)、気持ち、ええわ」
スーパーの袋は重く、財布の中身は「すってんてんやわ~」と軽くなるのだが、ウキウキモードで家路を急ぐ。

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2012年9月14日 (金)

ほんまの『いとさん』・『とぉさん』

船場生まれで船場育ちの母親を持つ人が、
「ある時、父親が、うちの母親に、『おい、お茶淹れてくれ』とゆうたのや。母親はゆっくりと腰を上げて、『うちが淹れますのやったら、ちょっと時間かかりますけど~』という具合で……。
あれ、きっと父親は、生まれも育ちも船場やなかったよって、カチンときてたと思うな」
と言っていた。

『いとさん(=お嬢さん)』
『とぉさん(=お嬢さん)』・・・大阪ことば事典 牧村史陽 編 講談社学術文庫 によると≪トォサン【嬢さん】(名)いとさん。お嬢さん。イトサンのイが脱落したもの。≫とある)
と呼ばれ、裕福な家庭で育ってきたこの明治生まれの女性は、物腰が兎に角ゆったり。
『いとさん』・『とぉさん』と呼ばれて育ってきたことにプライドがあった。
お茶を淹れるよりも、淹れて貰って〝飲む側〟で育ってきた女性だ。

「お茶一つ淹れるのも、もったいつけて(=尊大ぶる)」と、この家の主である話し手の父親は腹が立ったらしい。

話し手は80歳手前だ。
在りし日の父親と母親のやり取りを、懐かしげに、時に母恋しの表情を見せて話してくれた。
同時に、プライド高い連れ合いを持った父親に、一抹の憐れさを感じていたのも、話の合間に感じ取ることもできた。

そんな話を聞かせて貰う機会が、幸い、私には沢山あった。
話を通じて、ほんまの『いとさん』・『とぉさん』の雰囲気を感じる喜びも生まれた。

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2012年9月 4日 (火)

『腐っても鯛』>『出世魚の鰤』

私は『鯛』のことを、「お鯛さん(おたいさん)」と呼ぶ。

いつぞや、このことに気が付いた娘が、
「鯛だけ、〝お〟もつけ、〝さん〟もつけて。ほな、鰤(ぶり)はどないやねん?」
と問うてきた。
「鰤は、ぶりや」
と答えた。

答えながら、
『えっ? あれまっ! 鰤は出世魚(しゅっせうお)やのに……。なんや、気の毒な』
という気はしていた。

娘は、
「おぶりさんとは、言えへんのやな」
と念を押すので、
『悪いなぁ、鰤。堪忍(かんにん)してや』
そう思ったが、
「鰤はぶり。〝おぶり〟とも〝ぶりさん〟とも〝おぶりさん〟とも、『飴ちゃん』みたいに『ちゃん』つけて〝ぶりちゃん〟や、(古い大阪弁で名前を呼ぶ時に使う)〝おぶりはん〟とも呼べへん」

こう答えた時から、私の中で、『腐っても鯛』は『出世魚の鰤』を打ち負かした。

何でもない事だが、お昼にお弁当を買いに行き、
「今日の魚は鰤の照り焼き」
と説明している売り子さんの声を聞いて、ふと、こんな話を思い出した。

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2012年7月21日 (土)

ビジネスマナー:粋やない人、好かん蛸(すいやないひと、すかんたこ)

大阪弁の『粋(すい)』とは、意気(いき)なこと。
「粋な人(すいなひと)」を今風に言うなら、
「センスの良い生き方やその言動に、人が憧れを抱くような人」とでも表現できる。

対極にあるのが『不粋/無粋(ぶすい)・野暮(やぼ)』という言葉だ。
大阪弁なら「もっさり」とも言う。

仕事でお世話になった人と会食をすることは、よくある。
食事は、本人が気づかないまま、その人の本性が出る。
毎回ではないが、私は会食の場を、人を見極める機会だと思って座る時もある。

今の夏の時期とは異なるけれど、ある時の会食で、柚子釜が出された。
柚子釜は、柚子の中身を出し、柚子を器に見立て、中に吟味された食材を入れてある。
食べ終わった途端、私の横に座っていた人は、花板(はないた)さん(=板長)に向かって、
「ほら、綺麗に食べてやったから、後で使えるでしょう? 使うんだろ、これ?」
と言った。
『この店に連れて来たのがまちごてた! あぁ~しもたー!!』
空の柚子釜を片手で振る姿を横目で見ることしかできず、本当に花板さんに申し訳なかった。

『粋やない人、好かん蛸(すいやないひと、すかんたこ)』
食事が終わるまで、何遍繰り返したか分からない。

「もう、ぜーったい、うち、この人とご飯、食べへん!」
と決めて、それ以降、一緒に会食したことはない。

名刺交換や挨拶の仕方、メールの送り方等々のビジネスマナーは〝やいのやいの〟(大阪弁:しつこく要求するさま)と言われる。
人との食事の場では、ビジネスマナーより一歩進んだ『品性』を見られているということを忘れないでほしい。

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2012年5月22日 (火)

人さんの幸せをねごて(願う)

時期は過ぎたが、毎年の5月5日の子供の日の光景は、40年過ぎてもはっきりと思い出す。

朝一番に、祖母が頼んであった和菓子屋さんから、10個の柏餅を入れて1パックになっている包みが、木製の餅箱で2段分届く。

「今年も仰山やわぁ~」と、先ず思う。
小学5年生くらいだっただろうか?
私と妹は、祖母からの指示にそって、町内に住む、祖父母の知人で、大抵はお孫さんがいるお宅に手分けして届けに向かった。

「ごめんください、松尾です~。あの、これ、おばあちゃんから、みなさんで食べてもろてって」
「あのまぁ、毎年、すまんこって。おばあちゃん、ほんまにこないして、気ぃつこてくれてから。おおきに、おおきに。有難く頂戴しますとゆうといてな」

どこのお宅でも同じような言葉を貰い、すぐに帰宅。
次の配達先を聞くと、私と妹は、小中高時代は自転車で、それ以降は、単車で走り回った。


祖母には『久子』と名付けた娘がいた。
元々虚弱体質で、「小学校に久子をおんぶして行ったこともある」と話す祖母の顔には、『それも嬉しかった』の色が見て取れた。
だが、可愛い盛りの7歳の時に、祖父母はたった一人授かった実子を病で亡くした。

「人さんのお宅の子ぉが、どうぞ、元気に育ってくれるよに(ように)」
そんな願いを込めて、祖母の5月5日があった。


年中行事に込められた祖母の柏餅配りの手伝いは、53歳の私に影響している。
大したことはできないが、それでも何かある度に
「○○さんのことおもたら(思ったら)、こんな時、 どんな事をしたら、ええ方(ほう:方向)にいくのやろか?」
と考える大本(おおもと:根源)になっている。

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2012年3月23日 (金)

優しいキス

昨夜は27歳のイケメン:キイチと神田で食事をした。
うちの長女のアイの幼馴染で、私にとっては愛しい息子そのものだ。

もう24年も前のこと。
キイチとアイが3歳の時、キイチ一家は仕事の都合で実家のある静岡に帰ることになった。
新大阪の新幹線ホームで、車両のドアを境に、私はアイを抱き上げ、キイチはキイチのママに抱っこされて向き合っていた。
もうすぐドアが閉まる直前、キイチがアイの頬を小さな両手でそっと包み、優しくて切なさが伝わるようなキスをした。
その行為を目の前で見た母親たちは、「へっ?!」と唖然としたまま固まった。

やがて、ドアは静かに閉まり、新幹線は滑るように走り始めた。
抱きかかえたままのアイを見れば、何事もなかったかのように、
「バイバイ」と遠のく新幹線に手を振り続けていた。
一方、キイチはドアが閉まってから、
「アイとは別れたくなかったんだよ~」と京都まで泣き続けたと、後日、キイチのママからの電話で知った。

そんなことがあったキイチは、結婚も考える年齢の立派な青年になった。

家族関係も、家族のそれぞれの性格まで知っているキイチとの話は尽きない。
二人で向き合いながら、色んな話をした。

とろけるような楽しいひと時を過ごすことができたほっこり感は、今朝も続いている。
「あぁ~、しあわせ~」で、今日も一日が始まった。

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2012年3月 1日 (木)

せんないこととは分かっていても

「今後の仕事の広がりを望むのなら、facebookを使った方がいい」
「twitterもした方がいい」
「facebookもtwitterも、どちらを先に始めてもいいけれど、どちらもした方がいい」

私の周囲でもこんな意見を聞き、
『どこか本意ではないんやけど……』
の思いが消えないままで、facebookだけは今も、ほん、たま~に書いている。

知り合いの誰かが書いた『○○駅前で、ラーメンなう』
そんな文字を見て、
「へぇ~」で終わるときもあれば、
「まぁ、えらい今日は遠い所で仕事してるんやわ」と思うこともある。

プライベートな情報と、会社で行っている新企画案内の情報を、どんな割合で入れていくかも考えて行っている人も多く、その事実に
「えらい、賢い人やこと」
と素直に尊敬もする。

けれど、私は少なくても
『○○でラーメンなう』は書かない。
私の基準では、それはあまりにも私的過ぎる情報だからだ。
ただし、『○○でラーメンなう。トッピングにダチョウの煮卵』とか、「えっ! そんなんありなん?!」と驚くような事実があると、写真付きで載せると思う。

せんないこと(大阪弁:仕方がない)とは分かっていても、
ひっきりなしにiphoneなどで、今、身の回りに起こった〝あまりにも私的過ぎる情報〟を文字入力している人の姿を見ると、
「うちにとっては、せちからい(世智辛い:世渡りがしにくい)ことになったわ」と思う。

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2012年1月28日 (土)

ごてくさ言うてんと、風邪に葛湯

風邪をひいた。
つらいピークは過ぎたようだ。
こうしてPCも弄ることができる。

小さな頃、風邪をひくと、
「これがええわ」
祖父の指令の元、葛湯を飲むように言われた。

甘い葛湯は苦手だった。
「さっ、冷めらんうちに」
祖母も勧める。

口をつけないでいると
「ごてくさいうてんと、さっさと食べてしまいや!」
(ぐずぐずしていないで、早く食べてしまいなさい!)
大抵叱り調子でこういうのは、母だった。

あの頃からは、もう50年程も経った。
今朝、
「ほぉ~、葛湯も美味しいもんやわ」
風邪退散と念じながら、葛湯を飲んだ。

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