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2013年2月

2013年2月22日 (金)

綺麗な大阪弁

月に一度は、主宰する文章教室の授業のため、関西に行く。

都内、千代田区神田に住んで1年半が過ぎた。
順応性がいいのか、幾度も転居をしてきたせいか、
「うちは、一旦住んでたとこ(所)から離れたら、実家も、大阪も、皆々、〝帰る〟とこやのぉて、〝行く〟とこになってしもてから」
自分の持つ習性がおかしくて、クッっと笑ってしまう。


授業の前に立ち寄る場所があったので、大阪駅前でタクシーに乗って、先ずそこに向かった。
車に乗るなり(=乗ってすぐ)、
「運転手さん、ほんそこまでで(=ほんのそこまでの短い距離で)、えらい悪おますけど……場所、ここですねん」
場所を示した地図を渡した。
「あぁ、ここなら、裏から抜けた方が早いですわ(=裏道を通った方が早いですね)」
と行先を確認して、出発した。

「お客さん、えらい綺麗な大阪弁ですな」
発車してすぐ運転手さんは言った。
『うちの話し言葉が、えらい綺麗な大阪弁やなんて……もうこんな喋り方する人は、ほんまにいてへんようになってしもたんや』
と思った。

運転手さんは70歳近く見えた。
『この年代の人ら(=人たち)がのぉなったら、綺麗な大阪弁すらも分かれへんよになるのとちがうやろか?』
そんな思いも浮かんだ。

言葉は生き物だ。
大阪弁も変化し続けている。

大阪弁の死語は増え、
「何いうてんの?」
という顔をされることもあるので、話す相手を見て使う言葉を選んでいる。

『とは言うても、古い大阪弁を使えるお人と話してる時が、一番気ぃよお(=気持ちよく)話せるわ』


「ほんそこまで」と告げた目的地までは、あっという間に着いた。
「おおきに、おおきに。助かりました」
礼を言い、車を降りた。
「ほな、気ぃつけて」
送り出してくれた運転手さんの一言が、嬉しかった。

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2013年2月15日 (金)

ビジネスマナー:時には、かいしょもん(甲斐性者)に成ってみたらどないだす

昨日、出先で昼食をとりに入った店は、リンガーハットだ。
カウンター形式の3人席の一番右端の席に通された。

すでに左側には2人のサラリーマンが座っていた。
一番左側の端席に40代らしき上司、私の隣りには20代後半の部下が座っていた。
注文は済み、若い部下が
「ここの美味しいんですよね」
の一言にワクワク感がにじみ出ていた。

しばらくすると、先に大鉢入りの野菜たっぷりちゃんぽんが運ばれてきた。
上司は「ここ、置いて!」と店の人に指示して、鉢が置かれた瞬間から、一気に食べ始めた。
大鉢入りのちゃんぽんが半分ほどになった頃、小ぶりの鉢に入ったちゃんぽん+ご飯+餃子がついたセットメニューが運ばれてきた。

ここで上司は「あっ」と小さく言った。
部下は「いいです、いいです」と苦笑いの後、すぐに悲しそうな表情に変わった。
「これ、お前のやったんか~。いやー、なぁ~んか、おかしなぁとおもてたんやけどな」
と、半分以上平らげていた上司の箸が止まった。
「い、いえ、ボク、これで(いいので)」
若い部下は、ペコンと頭を下げた。

それからは会話のないまま、上司と部下は食事を終えた。
『さぁて、問題はお勘定の時や。この上司、部下の注文分をペロッと食べといて、自分の分しか払えへんのやろか?』

先にレジに並んだ上司は、案の定、自分の分しか払わない。
部下は、食べたかった大盛りちゃんぽんを食べることなく、やむなく食べたスモールちゃんぽん+白ご飯+餃子3個のランチセットメニュー料金:490円を支払った。

『あ~あ、なんで、〝おい、悪かったな。僕がまちごて君が注文してあったの食べたんや。今日の昼代、僕、払とくわ〟くらい言われへんねんな!
時には〝ここは僕が出すさかい〟と、かいしょもん(甲斐性者=甲斐性のある人・しっかりした人)に成ってみたらどないだす』

ビジネスマナーは社外でも社内でも、しっかりとある。
「僕の食べた分は僕が払うんやよって、君の食べた分は君がはろて(払って)当然やろ」
というようなこの上司の態度が、今回の場合は情けないの一言に尽きる悪い例のビジネスマナーだ。

「かいしょなし(甲斐性無し)の上司と、これから仕事で連れ立った都内回るんやろか」
1000円札を出して490円の食事代を払い、おつりを財布に入れている部下の姿を見て、そんな事を思った。

部下を上手に使うのも扱うのも、上司の仕事。
「察するに、あの上司にビジネスセンスはない!」
出て行った二人の背中を目で追い、そう思った。

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