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2012年8月24日 (金)

「オトン」・「オカン」も、「オジン」・「オバン」も大嫌いやけれど……

明治生まれの祖父母は、
「オトン」・「オカン」も、「オジン」・「オバン」も、決して誰からも呼ばせなかった。
また、祖父母にそんな呼び方をする人もいなかった。

祖母は、自らのことを「わてはおとんぼ(乙ん坊=末っ子)で」と言い、自分の父親のことは「てておや」と呼び、母親のことは「ははおや」と呼んでいた。

他人に、
「あなたのお母さんは、どう考えているの?」
と問いかけるときは、
「お宅のおかぁはん(=あなたのお母様)は、一体、どないな考えで?」

あるいは、実際、何か言っているだろうと想像できる状況なら、
「おうちのおかぁはん(=あなたのお母様)、どないゆうてなはんのや?」
と、ゆったりと構えて話を続けていた。

「オトン」・「オカン」も、「オジン」・「オバン」も
「品のない呼び方や」と嫌っていた祖母だ。
が、ただ一人、その祖母を「オバン」と呼び、ちょいちょい(=ちょくちょく)祖父母宅に顔を出す祖母の甥:ミスオさんがいた。

「ミスオは苦労してんのや。若い時分に(布の)裁断機で、指、のぉなって(=なくして)」
昭和30年代~40年代にかけて、高度成長期の繊維産業の盛んな土地柄ゆえに、給料の良い所に働き手は動く。
ミスオさんは繊維関係の職工だったが、今思うと、結構、勤め先の工場を変わっていたような気がする。
字が下手で、履歴書を書くことになると、
「オバン、すまんな」
と言って、履歴書を祖母に渡した。
祖母は、時々、今までの職歴をミスオさんに確認しながらきちんと書いた。

ミスオさんの「オバン」には優しさがこもっていた。
情(じょう)を含んだ「オバン」と言う響きを、祖母はフッと笑って聞いていた。

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