« 「敵か味方か」二者択一論者 | トップページ | 素直と片意地 »

2012年7月 3日 (火)

ほな、いこか(では、出発)

昭和33年(1958年)生まれの私。
3つか4つの頃ともなると、電車を乗り継ぎ、大阪市内の親戚の家に、祖父母と手を繋いでついて行った。

祖母が一人で向かう時は、家を出る前に必ず
「今日はおばあちゃん一人で行くんやさかい、しっかり歩くんやで。ほんで、おばあちゃんから離れたらあかん。ええか?」
と念を押された。

「もしもや、そんなことあってはならんけども、おばあちゃんとはぐれて(逸れて:大阪弁〝見失ってしまう〟しもたら、どないするんや?」
と問われる。
この時にこそあるような真面目な顔をして、
「おまわりさんとこ行く」と答える。

「おまわりさん、ちょうどええ塩梅にいてたらええけど、いてへんかったらどないするのや?」
の問いかけに、
「誰ぞに〝おばあちゃんとはぐれた。うちの名前は松尾成美。家は和歌山県伊都郡高野口町(いとぐん こうやぐちちょう:現 橋本市高野口町)。電話は……」
氏名・住所・電話番号・父の名前を諳んじるのを確認後、
「ほな、いこか(では、出発しましょう)」
祖母は正座していた座布団から腰を浮かせた。

当時の祖母は、身長152cm程で、体重は80kg。足のサイズは21cmという、非常にバランスの悪い体だった。
祖母は幼い孫を見失うまいとし、私は『おばあちゃん、ひっくりかえったら、えらいこっちゃ』と思う気持ちがあった。
互いを思いながら、行き帰り、祖母と手を放すことはなかった。

|

« 「敵か味方か」二者択一論者 | トップページ | 素直と片意地 »

ウェブログ・ココログ関連」カテゴリの記事

パソコン・インターネット」カテゴリの記事

学問・資格」カテゴリの記事

心と体」カテゴリの記事

文化・芸術」カテゴリの記事

旅行・地域」カテゴリの記事

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

育児」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ほな、いこか(では、出発):

« 「敵か味方か」二者択一論者 | トップページ | 素直と片意地 »