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2010年2月12日 (金)

大阪弁:「ぐいち」

大阪弁には、食い違う事やちぐはぐな事を指す『ぐいち』という言葉がある。

『ぐいち』と言えば、最もよく使われたのは、祖父がシャツのボタンを掛け間違えたシーンでだ。
鏡に映した自分の風体に、「しもた(=しまった)、ぐいちになってもぉてから(=左右でずれてしまって)」と言っては、掛けたボタンを外し、一番上のボタンから確かめながらかけていた。

ある時、芸者の帯の結び方に、「前帯をぐいちに結んだら色っぽなるんや」と気付いた。
年頃になって、自分で着物を着て出かける時、「ちょっと感じを出して」と前帯をわずかだがぐいちに結んで家を出た。

出た所で、ずっと可愛がってくれていた宝田(仮名)のおばちゃんに出会った。
「あれ、綺麗にして。お出かけ?」と問いながら、さっと近づいてきた。
「帯は、きちんと締めていった方がよろしで。粋なこんな結び方は、成美ちゃん、まだまだするもんやない。そら、わてらは若い時分からこない結んできたけど」と、ぐいちに結んだ前帯を直した。
宝田のおばちゃんは、若い頃は芸者をしていた。
直した前帯を確認して、「さっ、こんでよろし。行ておこし」と送り出してくれた。

もう亡くなって随分と月日が流れた。
手を振って見送ってくれた姿が、今は懐かしの一コマになってしまった。

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