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2007年12月15日 (土)

どないしょう、こんな時

今から30数年前の高校生の頃だった。
母と、近所のスーパーへ買い物に出かけた。
レジで精算が済み、スーパーの買い物籠に食料品を入れ、荷物置き台に移動した。
この日は、買い物の量が多かった。
母と手分けしてスーパーのビニール袋に食品を詰め込み、「さぁ、行こか」と言った瞬間、事件は起こった。

何気なく指をスーパーの籠に突っ込んだが、今度はその指が抜けない。
「えっ? ウソ!」と我が目を疑った。
「こんな事って、あるん??」人差し指が、籠の隙間に入ったまま動かない。

「何してんの? はよしぃや」と、母は出口に向かって歩き出した。
「ちょ、ちょっと待って」と慌てて母の背中に声をかけると、「どないしたん?」と振り返った。
見れば、空っぽの黄色のスーパーの籠を、指一本でぶら下げている娘が立っている。
「あんた……」と言ったまま、母はその場から動かず、こちらに来てはくれない。
「指、抜かれへんねん」と言うと、じんわり脂汗まで出てきた。
唖然とした後、母は大笑いして、「抜いてみ、抜いてみぃな」と繰り返す。
紫色になってくる娘の指を見て、「やっ、これ、あかんわ」と、ようやく母は近寄ってきた。
二人で力を合わせて、無事指は抜けた。
その後、母は家に着くまで、「この子ぉは、ほんまに。ハハハハ」とずっと笑っていた。

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