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2007年11月 3日 (土)

見えへんもん見えても辛いやろ

95才の祖母が、「今度は、まぁ、なんと、海老と蟹や」と言い出した。
離れて住んでいるので、「姉ちゃん、おばあちゃんにまた幻覚が」と、祖母宅の近くに住む私の妹から電話があった。

以前起こった幻覚症状は、「百足と甲虫が、仰山押し寄せてくる」だった。
それと共に、「隣の部屋の宴会が賑やかで」とか、「ラジオから四六時中うるさい声がする」と言っていた。
幸い今度は、幻覚だけだ。

妹と一緒に祖母の元を訪れた。
祖母の背中を私が、足を妹が擦りながら、「どない見えるん?」と尋ねた。
「そこの柱に、大きな伊勢海老が張り付いて、この足下に蟹が。ああ、気色の悪い」と言った。
「今も見えてるん?」と問うと、「いいや」と答えた。
祖母の話に二人して頷きながら、「おばあちゃん、そんな大きなもん動いてんの見えたら、怖かったやろ。一人で住んでんのやさかい」と言った。
妹は、「今度見えたら、うちに電話してきて。飛んでくるわ。ほんで、一緒にここで戦おう」と告げた。
「いや、あんたには見えへんやろ。それはあかんわ」と祖母は笑った。
「うちらに見えへんもん見えても、それは辛いわな」と言うと、「おおきに。ご苦労さんやったな。気ぃつけて帰りや」と手を振って送り出してくれた。
帰り道、妹と二人で、心から祖母の平安を祈った。

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