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2007年9月25日 (火)

見えん所に気ぃつけや

「見えんとこやけど、もしも、なんぞあったら」
一人暮らしの林のおばちゃんは、生前、そう言いながら、常に下着に気を配っていた。
「あんまりなもん着てたら、もしもあて(私)が倒れて、病院に担ぎ込まれて、下着見られた時、『あれ、まぁ』ってことにでもなったら、ホホホ……そやさかい、綺麗なもん、つけてなんだら、なっ」
80才を超えた頃、にこやかにそう言った。そのおばちゃんも、亡くなって数年が経つ。
天涯孤独の身の上で、元芸者さん。身のこなしや、ちょっとした所作が、「いくつになってもかいらし(可愛らし)人やなぁ」と思う女性だった。
「一人暮らしやからこそ、見えんとこに、気ぃつけてなあかんのやひて」と、和やかな紀中弁で語っていた。

祖父は靴を磨きながら、側にいる幼い私によく言った。
「ここ。ここな」と靴の裏側を見せて、土踏まずの辺りを指した。
「表ばっかり磨いててもあかん。この土踏まずのとこな、仮に人を案内して、階段を先に上がったりすると、パッとこの靴の裏が、後ろの人の目に入るんや。ここが汚れてると、具合が悪い。ピカーッと光ってんとな」
革靴の裏の土踏まずの辺りは、やはり革で、そこが輝くまで磨きながら、「見えんとこに、気ぃつけや」と呟いた。

二人の言った「見えんとこに、気ぃつけや」は、忘れてはいけない言葉の一つとして、今も残っている。

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トリビアな大阪弁

投稿: Pattie Castaneda | 2007年10月19日 (金) 05時47分

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トリビアな大阪弁

投稿: Miriam Craft | 2007年10月20日 (土) 08時04分

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