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2007年7月 7日 (土)

さぁ、飲め、たぁんと、飲め、飲め

亡くなった母方の祖父は、すいか作りがうまかった。
40年程前のこと、すいかが最も水を欲する時期になると、決まって畑のポンプの調子が悪くなった。
祖父は、その度に根気よく自分で修理を施し、何とか水が出るようにした。
「ひとまず、やれやれや」
一日かかってポンプを直し、父に借りていた工具を返しにやってきた祖父は、嬉しそうに言った。
首にかけたタオルで汗を拭いながら、冷えた麦茶を飲んで、「さて、すいかにも、やらなあかん(あげなくてはいけない)」と立ち上がった。

祖父の自動二輪 スーパーカブの後ろを、父の車に乗って畑まで付いていった。
畑に入ると、すいかの苗の元に、そうっと放水しながら、
「さぁ、飲め。たぁんと、飲め、飲め。うまいやろ」と微笑みながら声を掛けていた。
そんな祖父のそばにいることが、嬉しかった。

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