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2007年5月 7日 (月)

駄菓子屋と当てもん

昭和30年代半ば、駄菓子屋さんは町内に何軒かあった。
ところが、5歳まで同じ年頃の子と遊んだことがない私には、一緒に行く子もいなかった。
“憧れの聖地”のように、『いつか行ってみたい場所』のNo.1に長い間輝いていた。

小学校に入る前、祖父に頼み込んで、連れて行って貰った。
「お菓子なら、うちにあるがな」と少々不機嫌だったのを、「行きたいもん。行ったことないねんもん」と祖父より不機嫌な調子で言ったので、「しゃぁないな。そない行きたいんか」と呆れた顔をした。
駄菓子屋さんまでは、いつものように手を繋いでいたが、店の前で手をふりほどいて私一人が中に入った。
当てもん(当て物)が柱からぶら下がっていた。「あぁ~、これや~、当てもんや~」と心がフワフワと飛んでいくようだ。
背後から祖父の声がした。
駄菓子屋のおばちゃんに「なんぞ、この子ぉにええようなもん、入れたってんか」と告げたので、おばちゃんは、手際よく、水飴やラムネ、ガムなどを紙袋に入れてくれた。
「さっ、いのか(帰ろうか)」と手を引かれ、店を出た。
当てもんは一つも引けず、駄菓子をあれこれ選ぶこともできなかった。
帰って部屋でラムネを舐めながら、悔しくて泣きそうになった。

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